ゴーヤの摘心栽培
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ゴーヤの摘心
ゴーヤ摘心の基本
摘心とは
ゴーヤは摘心栽培が基本です。摘心とは新芽の先端を切る、ちぎる、潰す、どのような方法でもよいですが、成長点をなくすことによって、あらたにわき芽を発生させることを目的としています。
他のつる性の野菜と同じように摘心します。地這いキュウリなどと似ています。
ゴーヤを摘心する理由
節成りゴーヤ: 節なりゴーヤは節成りでない品種と比べると十倍位の収穫量があります。しかしこのような節なりゴーヤも出来る限り収穫量を増やすような栽培をしなければなりません。摘心をすることでわき芽がよく発生して育ち、枝の数が増えていくのでその分で雌花が咲いて実がなります。このため収穫量を最大限に増やすためには摘心が必要不可欠です。
節成りでないゴーヤ: 節成りでないゴーヤを摘心しないと相当収穫できる数が減ってしまいます。また、節なりでないゴーヤは基本的に親ヅル子ヅルよりも孫ヅルに雌花が咲くことが多いです。そのため親ヅルを伸ばしたままにしておくと、子ヅルが伸びてくるのが遅くなってしまいさらに孫ヅルの発生も遅くなってしまいます。そのために成長を促して収穫を早くからはじめ収穫量増やすためには、摘心は不可欠なことなのです。ただ摘心すれば、わき芽がドンドンと伸びてきて収穫量が増えるかというと、必ずしもそうとは言えません。
日光のあたる条件や地面の中の栄養分や水分などが十分にある状態で、広い場所で大きくツルを広げて育ってることができれば、多くのゴーヤを収穫することができるでしょう。日当たりの悪いベランダでプランターなどで栽培した場合には、あまり摘心をしたからといってわき芽がぐんぐんと伸びないこともあります。また実がつかなかったり、ついても非常に小さい状態のまま成長が止まってしまうこともあります。全く同じ条件で節なりゴーヤと節なりでないゴーヤを比べた場合にはやはり節なりゴーヤの方が収穫量は多いということが言えます。
あばしゴーヤ: あばしゴーヤは優秀です。固定種のゴーヤの中では、小さいですがたくさんの雌花がつきます。これは手軽に家庭菜園で始めるには最適なゴーヤといえます。ほどよい数の実なので緑のカーテンとして楽しんだ後、収穫して食べれるというところで優れていると思います。多少小さいですが味は普通のゴーヤと変わりません。見た目はスーパーなどで売っているゴーヤとは別の感じがすると思いますが、中にはとてもきれいな楕円形のゴーヤができることもあります。これはトゲの部分がかなりでこぼこしていてとても特徴的な形をしています。
親蔓(主枝)を摘心することで、子ヅル(側枝)が発生しやすくなる。節成ゴーヤでないゴーヤは雌花は主枝には付かない。節成ゴーヤでも摘心をして4本仕立てにするのが一般的な栽培方法です。
何枚目の葉で摘心をするか?
一度目の摘心: 一度目の摘心は本葉が5枚くらいの時から行います。植え付け直後よりも活着して、成長が見られるころに摘心したほうがいいと思います。
二度目: これは、子ヅルが支柱やネットのすみずみまで到達して、これ以上伸ばせないという時に子ヅルの先端を摘心します。孫蔓が伸びてきて葉が密になり、緑のカーテンを作ってくれます。節成ゴーヤの場合は子ヅルを摘心せずに伸ばし続ける方がいいかと思います。
摘心と整枝と摘葉
緑のカーテンにしたい場合:3,4本の子ヅルをネットに間隔を空けて這わせていきます。ネットの端で子ヅルを摘心すると、孫ヅルがあいだの隙間を埋めてびっしりと葉が生い茂ります。摘葉はしません。
収穫を楽しみたい場合:実が収穫できたところの節の葉や、それよりも根元よりの葉は摘みとっていきます。そうすると、葉の付け根から伸びてきたわき芽に光がよくあたるので、わき芽が早く伸び、そこに雌花がつくチャンスが増えます。また、つる同士が絡まったり日陰になってしまっているようなところは、ツルを広げるか、弱いツルを切って日当たりを確保します。
ゴーヤ摘心の実例
摘心して失敗した例
これはよくありますが、ゴーヤの苗がまだ活着していないときや、勢い良く成長していない時に、ゴーヤを摘心してしまうと、勢いが全くなくなり、相当長い時間成長が止まってしまいます。
新しく苗を買い直したほうがいいのではないかと思うくらいですが、その頃にはもういい苗は売り切れです。そんな大きなダメージを受けてしまうわけです。ゴーヤは摘心されると主枝はそれ以上伸びることがなくなり、主枝の部分は成長が止まってしまいます。その後、わき芽がすぐに伸びてくればいいのですが、元気が良いゴーヤでないとそう思うように子ヅルは伸びてくれません。
失敗すると、親蔓の葉は黄色く、白くなり、子蔓も出てこないか、あまり伸びてこない状態で枯れそうな感じなっています。これではなんのために摘心をするのかわかりません。ほんとうに摘心して効果がでるのは、畑なみに条件を整えたベストな環境でないといけないのかもしれません。
摘心で草勢いを失いすっかり葉が白くなって枯れそうになっている。
ゴーヤの葉が濃い緑色でなく、白っぽいような時はだいぶ弱っているサインです。親蔓を切ってしまって子蔓もまだ伸びてこないので、成長することができずにこのままの状態が1ヶ月程度続いてしまいました。
自分もなんどもゴーヤを育てていますが、摘心して失敗したと思ったことの方が多かったです。とくに、本葉4,5枚で摘心するときは要注意です。別に摘心なんてしなくても子蔓は伸びてくるのです。全く心配はないはずなんです。ただ、揃いが悪くなるので、均等に4本の子蔓を広げたいときには摘心したほうがいいということです。
弱っているゴーヤを摘心してからだいぶ復活した後。
本葉が7枚、7節あるのに、子蔓は2本しか生えてきませんでした。
これでは、1本の貴重な親蔓を切っておいても1本から2本に増えただけで、摘心したことが無意味だったと思います。摘心せずに親蔓を伸ばしていればもっと主枝も伸びて、子蔓も自然に発生していたことでしょう。
しかし、本葉4,5枚って、ちょうど植え付け時期のため、苗をそのまま植えつけているときに摘心するということをやってしまいがちです。これはあまりいい方法だとはいえません。もし、畑のような恵まれた場所でゴーヤを育てられるなら、本葉3枚で植え付けして、5枚まで元気に成長している様子を確認してから摘心した方がいいです。これでも一時的に成長がとまります。
およそ、ゴーヤを摘心する目安としては、本葉の枚数がどうこうよりも、新しく出てきた葉が植え付け時の葉の大きさよりも2,3倍くらいに成長して、葉の色も苗のときのような黄緑ではなく、濃緑色になっているような時がいいと思います。
4月に定植したビニールカバーに覆われた苗。
寒い時期に植えつけた場合は、すぐには摘心はしない方がいいです。
この時期に摘心してしまいよく失敗しています。
うまく摘心できて成長すると
ゴーヤーを摘心して上手く成長不良にならずに子蔓が伸びていってくれると、理想的な形になります。
この状態を作るために敢えて、成長がまだ勢いも弱々しい気温が低い頃に摘心をするのですが、それだけする意味は速く収穫できるように、つまりは、多く作るためにです。
理想的なツルは、ちょうど、ゴーヤネットのように四角い網のの横糸にそってツルが伸びて各節から実がぶらさがっていることでしょう。これを作るには節成ゴーヤでなければ難しいのですが、節成ゴーヤでない場合はあばしゴーヤなどがかなり多めの実がついていいと思います。
節成ゴーヤは子蔓に実がなり、それが収穫し終わると孫蔓についた実を収穫していきます。あばしゴーヤなどの節成でないゴーヤの場合は、1回目の摘心で4本の子蔓を伸ばし、ネットの先端で2回目の摘心をして横に孫蔓を伸ばしていきます。この孫蔓あたりから実がつき始めると思います。
実が付くといっても孫蔓であっても、たまに雌花が出現するくらいです。ほとんど1割程度だと思います。また、そういうこととは別に日照時間の長さによって雌花が発生する条件があるようで、節成でない固定種などはその性質が残っていて、秋の方が雌花が多く発生するということがあります。
このように一概に孫蔓まで伸ばせば実ができるということでもなく、真夏になったら実ができてきたという感じが的確な表現かもしれません。
摘心していないのに子ヅルがたくさん出て茂る
この写真は親蔓を7節ぐらいで摘心して、子ヅルが伸びてきてそのまま何もしていません。つまり、子蔓は摘心していません。
子ヅルだけですと、最大でも7本のはずなのですが、もう何も見えないくらいやぶのようにおおいしげっています。
あきらかに20〜30本以上のツルがあります。これは写真にあるように摘心しなくても各節から勝手にツルが伸びてきます。
子ヅルから孫蔓であろうと、親蔓からでも勝手にどんどんと生えてきます。
ほとんど、暑い時期はものすごいスピードで成長して、摘心なんてしなくても勝手に伸びてきます。では、なぜ?
格好の問題だと思います。本葉4,5枚で摘心して、4本の子ヅルが地面際から上へ向かって伸びているのと、なにも摘心しないで、親蔓だけが
突出して長く伸びていて、子ヅルが水平方向へ伸びていく状態とどちらがいいか?
子ヅルから収穫できるなら、親蔓を摘心して子蔓を4本伸ばしてもいいですが、孫蔓まで伸ばす場合、子蔓が4本もあったらとても邪魔なきがします。いや、絶対邪魔です。4本の子蔓から孫蔓が伸びたら大変なことになります。
では、節成ゴーヤは摘心して、節成でない固定種のゴーヤは摘心しないほうがいいのか?と悩みます。しかし、固定種は日照時間による雌花の発生というのが影響しているのであれば、子蔓でも孫蔓でも関係無いように思えてきます。
気温も関係あるかもしれませんが、ただ、雌花が発生することができる季節にネットに無駄なくツルが伸びれるようになっていればいいのではないでしょうか?
そうすると、7月後半までに、ネットの頂点くらいまでにツルが達していて、あとは水平方向に伸びながら雌花を収穫する。そういう方法がいいように思えます。たくさんの収穫を楽しむのであれば節成ゴーヤは必要ですが、カーテンにする目的で固定種を育てるなら、ネットの頂点に到達したら摘心してみるというのでいいような気がしてきました。摘心はしなほうが樹勢が強いままです。
季節的にもそのほうが高温になっていて、成長が止まらずいいかと思います。常夏の地域でもなければ、節成でも固定種でもほっておけばいいのかもしれません。